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スタジアムを語る

スタジアムと聞いてあなたは最初に何を浮かべるだろうか?
外観、アクセス、収容人数、レストランがあるかどうかなどといった所だろうか。
しかし、ここには多くの人々の想いが刷り込まれている。
あるスタジアムでは多くの人が歓喜し涙する。またあるスタジアムでは、多くの人々が死に、その遺族が涙した。

ここでは多くの歴史や事件、出来事が起こる。何が起こるかわからない。
スタジアムをただの建造物と侮るなかれ。息を潜め、そのときを待っている。

ここは人々を、時に笑わせ、憤怒させ、悲しませ、感動させる。喜怒哀楽、全ての感情を一度におこせることが出来る力を持っているのだ。スタジアムは場所によって姿形をかえる。ある国では、芸術品として珍重され、ある国ではボロボロながらも人々に愛される。またある国では、神聖な場所として、サッカー選手たちの憧れの地として存在する所もある。

姿形が違えば内部もまた違う。ピッチの状態、芝の状態、屋根はあるのかないのか、観戦しやすいのかしにくいのか。似たような形ではあるがスタジアムは一つ一つ顔を持っている。

また、スタジアムがサッカーに与える影響は絶大である。自らの本拠地とするホームであれば、頼もしいサポーター達が声と言う武器で一緒に戦ってくれる。つまり、12対11で戦えるのだ。これがアウェーでは反対になる。
また、なれない地への移動時間があるため、選手はアウェーの地と言うだけで幾分かの疲労を負うことになる。

スタジアムの数だけサッカーのドラマは生まれる。スタジアムごとにもっている空気、雰囲気がある。それは淀んでいたり、ピリピリしていたりと実に様々である。スタジアムの楽しみ方はなにもサッカーや他の球技やスポーツをみるだけではない。試合が終わったからと言ってそそくさと帰るようなマネはせず、スタジアムをゆっくりじっくりと観察してみてほしい。

おすすめは、ほとんど誰もいなくなった時のスタジアム。まるで、なにかこう神秘的な雰囲気が漂っているのだ。言葉では伝わりきれないのが非常に残念だが、そう例えるなら声が残っているのだ。確かに試合はおわったはずなのに、声が聞こえてくる。選手の息遣い、監督がとばすゲキ、サポーターの野次、全てがスタジアムに染み付いて離れない。

そう、スタジアムは確かに生きているのだ。声をスタジアム自体が記憶しているとでも言うのだろうか。これはあくまでも私個人が感じ取ったことなので、定かではないが。

スタジアムは時に神秘的で、美しく、また時に悲しい建造物でもある。


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