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奇跡のスタジアム

100年をこえるヨーロッパサッカーの歴史の中で、欧州各都市に素晴らしいスタジアムが建設されてきた。 その中でもサグラダファミリア教会と並びこの街のシンボルとされ、バルセロナにその雄大な姿をかまえているのが「カンプ・ノウ」だ。

9万8千人収容、ピッチは地下に掘り下げたところにあり、5階席までびっしりブラウ・グラナ(バルセロナのチームカラー、 水色とエンジという意味)に埋め尽される様子は圧巻の一言だ。 このスタジアムの雰囲気を体験すれば、バルセロニスタ(バルセロナのサポーター)ならずとも、興奮を抑えることはできないだろう。

欧州のほとんどのスタジアムがそうであるように陸上用トラックはなく、ピッチと客席の距離が非常に近い。4、5階席でも傾斜がついていて見にくいということはなく、観客によく配慮が行き届いている。

そんなカンプ・ノウでは奇跡的なゲームも生まれた。1999年欧州NO.1のクラブを決めるチャンピオンズリーグ決勝戦はこのスタジアムで行われた。

ドイツの王者バイエルン・ミュンヘンが序盤に挙げた1点を世界屈指のゴールキーパー、オリバー・カーンを中心とした鉄壁の守備で1点のリードを守り抜こうとしていた。しかし後半ロスタイム、奇跡は起きる。

対戦相手のマンチェスター・ユナイテッドのデイビット・ベッカムが放ったコーナーキックからシェリンガムに叩き込まれ、同点に追いつかれる。試合はまだ終わらない。

さきほどのリプレイを見るかのように、デイビット・ベッカムが放ったコーナーキックから今度はスールシャールが決め、逆転。わずかロスタイム3分のなかでおきた奇跡とも言うべき逆転劇。 バイエルンの優勝カップはわずか数分でその両手からすり抜けていった。

これが俗に言う、「カンプ・ノウの奇跡」である。


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